セミナーin学校説明会(2022/6/18)

コロナ禍時代の健康情報システムと分散型パーソナルクラウドデータモデル

サイバーフィジカルシステム研究室

セミナーの概要

 コロナ禍時代に、公共の場所でも温度検出装置が必要になっています。しかし、販売されている体温測定システムは、機能は単純で個人の識別ができず、体温の変化など、個人の健康情報の管理ができません。そこで赤外線センサーで温度を測定し、顔認識と組み合わせたキャンパス健康情報システムを提案しました。

 収集された体温データはクラウドに送信し、AI分析することにより体調の判定、感染症の予防の可能性がありますが、個人のプライバシーに関連するデータは集中管理する場合、セキュリティのリスクが大きいです。そこで分散型パーソナルクラウドデータモデル(UPOD)を考案し、個人のデータは自分で管理できる仕組みを作ります。UPODには健康データの他に、学校教育関連のライフログのデータ、ソーシャルメディアデータも蓄積できます。収集した膨大なデータを元に、限りなく現実に近い本人のデジタルツインも構築可能です。

 UPODの内容は自分で自由に共有または取り消しができます。例えば指定した種類のデータは、指定の期間で学校のアプリまたはサードパーティの健康管理アプリと共有することができます。アプリの中にはAI深層学習により学生の健康状況のみならず、学習ルート分析、アクティブな学習、データマイニングなどのサポートするための機能が考えられます。このUPODモデルはスマートシティセンシングプラットフォームにも適用できます。

(研究の一部は、ゼミ学生3名は海外学会発表を行いました。)

 

講師紹介

 第一工科大学サイバーフィジカルシステム研究室の陳先生は人間情報科学(Human Informatics)の博士です。デジタル化の波の中で、IT技術を活用した人間を中心とする情報の個人化環境と人らしい生活、自然との調和を鋭意研究中です。

 現在の研究はIS、 EE技術を利用した実世界の顔認証と非接触型体温測定データの収集、クラウドにデータの蓄積、AI分析、実世界にフィードバックするようなCPS仕組みを利用します。さらにグリーンエネルギーのIoTデータ利用・高齢者支援IoTサービスを導入したスマートホーム、自動運転情報システム、これらのデータ・情報を網羅するスマートシティへの応用などにも取り組んでいます。